担当:福本雅之(合同会社萬創社)

「行ける・行けない表」を作るには具体的にどういう作業をすれば良いのだろう?

路線図と時刻表を用意して作業をしてみましょう!
「行ける・行けない表」の考え方についてはこちらの記事をご覧ください
作成の流れ
「行ける・行けない表」を実際に作成する場合には、路線図と時刻表,それに施設の位置がわかる地形図などを用意し、出発地点から目的地までの移動ができるかどうかを確認していきます。具体的には以下のような事柄を設定して作業を進めます。
①居住地の大きさを決める
分析対象地域の中で、どの程度の居住地の解像度として分析を行うのかを決めます。
市町村の地域公共交通政策の場合、居住地内から駅/バス停に無理なくアクセスできる範囲とするため、中学校区程度の地区を居住地の単位とすることが妥当である場合が多いと考えられます。
都道府県の地域公共交通政策の場合、都道府県の交通政策の大きなウェイトを占めるのが地域間幹線系統であることもあり、平成の大合併前の市町村を単位とすることが妥当でしょう。
②居住地側の基準となる駅/バス停を決める
居住地側で、どこの駅/バス停から鉄道やバスを利用するかを決めます。居住地の地区は面的な広がりがありますが、駅/バス停まで徒歩や自転車などの手段によってアクセスすることを想定し、居住地側の地区の代表地点となる駅/バス停を設定します。
地区によっては複数の駅/バス停が地区内に存在する場合もあるでしょうから、そうした場合には、最も本数や系統が多いバス停や、地区の中心的な役割を担う施設の最寄り駅/バス停を設定すると良いでしょう。
③目的地を決める
分析対象とする移動目的の達成できる場所=目的地を決めます。
どういった移動目的を対象とするかは、地域公共交通政策の目的によって異なりますが、地方部においては、通学、通院、買い物が対象とされることが多いでしょう。したがって、通学=高校、通院=総合病院、買い物=商業施設を目的地として設定することが多いと考えられます。
④目的地側の基準となる駅/バス停を決める
居住地側と同様に、目的地となる施設の最寄り駅/バス停を設定します。
⑤「行ける判定」とする条件を設定する
公共交通で「行ける」と言っても、あまりに乗り継ぎ回数が多かったり、運賃が高かったり、所要時間が長かったりすると、日常的な移動としては現実的ではないことも考えられます。
そこで、「乗り継ぎ回数は○回までとする」「運賃は片道○円までとする」「所要時間は○分以内とする」というように、それぞれの閾値を決めます。
⑥居住地から目的地までの移動時間を確認する
時刻表を用いて運行時刻を確認し、居住地側の駅/バス停から目的地側の駅/バス停までの移動時間を計測します。さらに、往路については最寄り駅/バス停から施設までの徒歩時間も考慮に入れた上で移動時間を把握し、始業時刻などが明確な場合には、それに間に合うかどうかを判断します。復路についても、終業時刻から最寄り駅/バス停までの移動時間を考慮に入れて乗車可能な便を判断し、移動時間を計測します。
このとき、⑤で設定した閾値を超えるものについては「行けない」判定とします。
作業にあたっての留意点
実際に作成していく作業では、⑥の作業が多くを占めます。一つ一つの移動について調べて、その都度○×をつけていっても良いですが、後の検討の中で「この○はどの系統があるからなのか」「×になっている理由はなぜか」といったことを調べたくなることも多いので、表-1に示すように、一つ一つの移動を表にまとめながら作業進める方が良いでしょう。

参考までに、Excelのサンプルファイルをダウンロードできるようにしておきますのでご活用ください。

